年金を受け取って暮らしている人のためのページです。年金の人もふるさと納税ができるのか、上限の調べ方、手続き、税金が安くなる時期を、例を使って説明します。
できます。ただし、税金が安くなるのは、年金から所得税や住民税を払っている人だけです。
年金が少なくて、所得税も住民税もかかっていない人は、ふるさと納税をしても税金は安くなりません。寄附した全額が自分の負担になります。
働きながら年金をもらっている人や、事業もしている人は、確定申告が必要になることが多く、上限の調べ方もちがいます。「収入が2つ以上ある人は?」を見てください。この下の説明は、年金だけで暮らしている人向けです。
遺族年金や障害年金、年金生活者支援給付金には、税金がかかりません。これだけで暮らしている人は、ふるさと納税をしても税金は安くなりません。
総務省の目安表は、お給料をもらう人(会社員)向けです。年金の金額を「給与収入」の欄に入れて調べてはいけません。まちがった上限になります。
年金の人は、住民税の通知の「所得割額」から調べるのがいちばん確実です。
多くの人は、上限が「所得割額のおよそ4分の1」+2,000円になります。年金の人は所得税の税率が5%のことが多く、その場合は、所得割額のおよそ23%+2,000円です。
| 住民税の所得割額 | 上限の目安(所得税の税率5%の場合) |
|---|---|
| 20,000円 | 約6,700円 |
| 40,000円 | 約11,400円 |
| 60,000円 | 約16,100円 |
| 100,000円 | 約25,600円 |
式は「所得割額×20%÷(90%−所得税の税率×1.021)+2,000円」です(くわしい式と税率の表)。上限の目安が2,000円に近い人は、ふるさと納税をしても、ほとんど得になりません。
楽天ふるさと納税などのくわしいシミュレーターには、年金の収入を入れられるものがあります。「給与収入」ではなく、「公的年金」の欄があるものを使ってください。
今年の年金の額が去年とほとんど同じなら、そのまま目安になります。今年、仕事をやめて年金だけになった人などは、去年より上限が下がるので注意しましょう。
確定申告をしなくてよい年金の人で、1年の寄附先が5つまでなら、ワンストップ特例が使えます。寄附先の市町村に申請書を出すだけです。
医療費控除などで税務署に確定申告をする人は、ふるさと納税も確定申告に書きます。
| ワンストップ特例 | 税務署への確定申告 | |
|---|---|---|
| 使える人 | 確定申告をしなくてよい人(公的年金などの収入が400万円以下で、ほかの所得が20万円以下など)で、寄附先が5つまでの人 | だれでも使える。医療費控除を受ける人、寄附先が6つ以上の人は、こちら |
| すること | 寄附先の市町村に申請書を出す(寄附した翌年の1月10日まで) | 確定申告書の「雑所得(公的年金等)」に年金を書き、「寄附金控除」に寄附を書いて、税務署に出す |
| 安くなる税金 | 住民税だけ(所得税の分もまとめて住民税から) | 所得税(税務署)と住民税(住んでいる市町村) |
確定申告のやり方は、「税務署での手続き」の年金の人の申告のしかたでくわしく説明しています。
確定申告をしても所得税は戻らないので、税務署ではなく、住んでいる市区町村に「住民税の申告」をして控除を受ける方法もあります。寄附先が5つまでなら、ワンストップ特例でもかまいません。
2026年に寄附したときの流れです。
年金から引かれる住民税は、4月・6月・8月は前の年度と同じ考え方の額が引かれ、10月・12月・2月に、その年度の正しい額に合わせられます。そのため、ふるさと納税で安くなった分は、おもに10月からの年金で分かります。住民税を納付書で払っている人は、6月・8月・10月・翌年1月に払う額が少なくなります。
くわしくは、「払いすぎた税金は、いつ・どうやって戻る?」を見てください。
例Cさん(70歳・年金だけで暮らしている・ひとり暮らし)
Cさんの住民税の通知を見ると、所得割額は60,000円でした。公的年金等の源泉徴収票には、源泉徴収税額が書いてあり、所得税の税率は5%です。
Cさんは、少し余裕をみて、1万5千円の返礼品(お米)を1つだけ申し込みました。確定申告はしないので、寄附先の市町村にワンストップ特例の申請書を送りました(2027年1月10日まで)。
住民税は年金から引かれているので、おもに2027年10月・12月・2028年2月の年金から引かれる住民税が、合わせて13,000円ほど少なくなります。
上限の約16,100円を、約14,000円超えます。超えた分は、ほとんどが戻らず、Cさんの負担になります。